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「『前』の君が、『次』の君の役に立ったら、って書いてたみたいだから、お願いしておいたんだ」
神様に、とは言われずともわかった。わかってしまった。
「これからよろしく、――」
囁くように続けられたのは、耳慣れないはずなのに、とても懐かしい響きの名前。
『理解してしまった。させられてしまった。
確かに私はその恋人たちの片割れなのだと、理屈ではなく思い知らされた。』
読んだばかりの文章が、脳内でリフレインする。
――彼女は、今度は『彼』になったのだと、私は知った。
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