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結局、一晩ですべて読みきってしまったため、僕は次の日、目をしばしばさせながら一日を過ごすことになった。朝のうちに図書室の返却ボックスに投函し、教室に着いてものの数分。気づいたときには一限目が始まっていた。ホームルームをまるまる寝て過ごすとは。おそらく担任教師の出欠表には、僕の名前にバツ印が付いていることだろう。
夕方になり、ようやく目が覚めてきたころ。いつものように勉強しようと、放課後、図書室へ向かう。
返却ボックスの中身はすでに入れ替わっており、朝に返した本はもう棚に戻されていた。カウンターには図書委員の生徒がいて、暇そうにあくびをしている。その脇には返却作業が終わっていない本が積んであった。
委員がそんな感じだから、落書きなんかされるんじゃないか。
心の中で言いながら、カウンターの前を通り過ぎる。
僕が勉強で使う席はいつも決まっていた。
図書室に入ってからまっすぐ奥に向かい、突き当りを左へ。ベランダと本棚の間に、長机とは分離された個別の机がある。そこの一番奥が、僕の特等席であった。窓の隣なので風に当たることができるし、人も少ない。集中して勉強するにはうってつけであった。
まだ放課後の早い時間だ。席の確保は間違いないだろう。
昼間のうたた寝ですっかり冴えた頭を存分に使おうと意気込んでいると、途中の、本棚と本棚の間の通路に、一人の女子生徒が佇んでいるのが見えた。
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