94人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「え?あると思うけど。早速食いついたな、君」
「良いから探して!早く!」
はっきり彼の顔が見たかった。
「待ってって。ええと、これなんかどう?」
僕の予想が正しければ――彼は僕の知る男。
とびきり美しく
とびきり危険な男のはずだ。
椎名さんが差し出した次の画像は
彼の姿を正面からとらえたものだった。
「あ……」
「和樹?」
だいぶ雰囲気は違う。
痩せて尖った顎。
脱色を繰り返し色を失くしたブロンド。
変わってしまった――。
顔色は驚くほど青白くその瞳は
深い闇の中に長い事くぐらせたように黒々と煌めいている。
だけど彼は――。
「ルカ……」
僕の知る美しきノスフェラトゥ
ヘマトフィリアの聖ルカ――その人だった。
最初のコメントを投稿しよう!