episode244 Be A Good Boy ①

1/30
94人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ

episode244 Be A Good Boy ①

それから少し経った頃。 拓海が僕に会いたいと言ってきた。 「やあ」 「来てくれてありがとう」 さすがに屋敷へ来るのは気まずかったのか。 場所は九条グループのホテルのペントハウスだ。 「よかったらどうぞ――もう済ませたかな?」 僕が着く時間に合わせて ルームサービスが軽い食事を用意していた。 午後の1時を回ったとこだったから 僕が昼食をとって来るか否か迷ったんだろう。 「いいや、まだ――」 僕は部屋を出て行くサービス係を 作り笑いで見送ってから 「だけどさすがに――君と一緒にランチを楽しむ気にはならないな」 揃えて並べられた銀食器や 美しく盛られたクラブサンドを見下ろし 吐き捨てるように言った。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!