文字にする事…私という主人公の無いものねだり…

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とうとう癒しの侵略が始まる… 「受験生の自覚あるの?篠芽ちゃん?!部活もないのに、どうして30分以内に帰ってこれないの??その間に周りはね、どれだけ勉強してると思う?!」玄関を開けるといきなり母親が私に説教をしてくる これは、今に始まった事ではない…中学に入ってからのテスト週間のたびに聞いてきた言葉 もう耳にタコができそうだ…タコができたら、たこ焼きにしようかな…なんて、しんどくなる気持ちをそらせながら、黙って母親の言葉を聞く 「留学が決まってるからって安心してるんじゃないの?!私立も公立も合格圏内だからって油断してたら追い抜かされたりするのよ??」 ただ黙って聞く私が答えるのはいつも 「すみません…」という言葉だけ 反論した事?それもある…反論と言えるほどでもなく言い訳のような程度の言葉 「帰りに〇〇ちゃんから勉強教えて欲しいとこがあるって一緒に勉強してた…」すると何を人を助けてるんだと叱られた…弱肉強食、人を助けてるうちに自分が蹴落とされるかもしれないという話になり、余計に炎上させ説教は長くなっただけだった あんなに人に優しくと言っていた母親が受験や進路に必死になり、こだわる理由は彼女の過去にあった…よくある受験に失敗した事があるから我が子には、そんな経験をさせたくない…同じ苦労をさせたくないという子供に夢を重ねたい願望… 買いたいものが買えなかった…共働きで、がむしゃらに働く親の代わりに家の家事をさせられ…遊びたくても遊べなかった…期待の進路に失敗し失望されて、妹は期待に応えた劣等感からなのか いまだに、その話を何度も聞く… もっとこうすれば良かった…あぁしとけばと… 自由がなかったと言ってる母親からの私の自由も違う形ではあるが…ないとも知らず いつも母親の説教は、確かに正論で何を言い返しても、更に正論が返ってくる…どこか何かが違うんだよな…と思っても、そう思う事すら許されないような 私は何かを思ってはいけない…そんな気になる 私は何かを伝えてはいけない…そんな気になる 自己主張するとイジメにあうんだ 自己主張すると怒られるんだ 自己主張すると… 相手の望む答えを自己主張すれば、わりと全ては丸くおさまる…
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