第2章 アブラ ドロボウ

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 なぜなら。 「変な事じゃないよ。おかしなことかも知れないけど、 何かが食べてるとか、それ自体が逃げてるか。ううん、 多分そのどっちでもありかも」 「もしも、そういう存在があるならね。」 例のお化け騒ぎに対し、ワタルはそういうと、さらに続ける。 「ゆらちゃんは、ペドロバクテリアって知ってる?」 「現実に存在するんだよ、石油を食うバクテリアが。 石油を食うと同時に石油を生産もする。 今回の灯油とガソリン騒ぎもそれじゃないかな? 体を構成するものが石油そのものでもある物質・・・いや。」 「バクテリアだから、生物かな?そういうのが関係してんじゃないかな?」 何故、そんなの知ってんだよと、俺は(くぎ)を刺す。 「アキラさんに相談したら教えてくれたよ。それに、ネットで それなりに検索できる」 アキラさんは俺のチャット仲間の元大学生だ。 なるほど、昨夜の電話の相手はアキラさんか。  実はワタルの言葉は、寝耳に水じゃない。 実際に俺達は、そう言う生物を知っている。 「いつだったか、水を食ってデカくなったり増える生物がいたな?」     
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