Christmasrose

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「…え。あ、ごめんなさい…。タイヤ溝にはまってしまって…私ったら。」 そう言ってあたふたしていた。 七菜花とは全く違うタイプだ。 でも彼女の放つ声がとても穏やかでそれだけで俺は癒された。 「…俺も手伝いますから一緒にしましょう。」 「は、はい!」 「せーの!」 そして俺達は車を持ち上げた。 はまっていたタイヤが出てきた。 「や、やった!」 「…ふう。」 「本当すみませんすみません!有り難うございます!!」 (…そんな謝らなくても。) 「…いえ。じゃあこれで。」 「あ、あの!」 「え?」 「…私の家そこなんです!宜しければお茶でも一杯…。」 「え?」 初対面なのに?? 「あ!ご、ごめんなさい!う、家なんて図々しいですよね…!会ったばかりなのに」 「いや…。」 多分俺は一目惚れだったのかもしれない。 彼女ともっと一緒にいたいと思ったんだ。 「じゃあ一杯だけ…。」 「本当ですか!!嬉しいです! あ、私大河栞【おおかわしおり】ともうします!」 「あ、東野拓哉です…。」 「東野さん…。宜しくお願いします」 彼女はそう言ってご丁寧に頭まで下げた。 「あ、こちらこそ…。」 「あ!じゃあ私運転しますね!乗ってください!さあどうぞ!」 「あ、はい…。」 そして俺は助手席に乗った。 てか、初対面の人の車に乗ってるよな。俺…。 そして、彼女はエンジンを掛けた。 ブロロロ そして車は出発した。 「溝に嵌まらないようにしますね!」 「あ、はい。」 そして彼女は運転を始めた。
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