Christmasrose

15/120
前へ
/122ページ
次へ
こんな人が彼女ならなー… 天然っぽいけど何より可愛いし (…てか、俺実家に連絡してなかったな。) そう思った俺はパンツのポッケからスマホを取り出した。 そして、電源をつけた。 つけると、ブブと通知オンが鳴り止まなかった。 「…うわ。」 全部七菜花からだった。 『今どこ?』 『拓哉会いたい』 『お願いだから連絡して』 『拓哉、無視しないで。』 何通も何通も呪いのように送られてきた。 見るのも気が失せる。 その時 ブブと電話が鳴った。 「…彼女さんからですか?」 「…あ、はい。」 (…何だよもう…。) 「…私なら大丈夫ですからどうぞ。」 「あ、いや大丈夫です。」 (…今電話に出たってきっとまた喧嘩するだけだしな…。) 「…そう…ですか。」 その時一瞬彼女の顔が曇っていた。 (…何だ?) そして、俺は空気を変えるために話を変えた。 「あ、そういえばお花屋さんなんですよね?」 「え…。」 (…不自然過ぎたか?) 「あ、はい。」 そう不意に笑った彼女が可愛いと思った。 「…花。見せてくれませんか?」 そして、俺は咄嗟に口を開いた。 正直花なんてどうでもいい。 彼女ともう少し一緒に居たいからだ。 「…良いですよ」 そう言って彼女は店を案内してくれた。 「…どうぞこちらへ。」
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加