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「……真二…?今、何て言った?」
「だから、オレ、もう日本に戻って来ないから」
「戻って来ない…て?」
「あっちで暮らす」
「え?てか、このタイミングで?! 後、一時間もしたら、お前は、遥か上空だぞ! その事、おじさんとおばさんは_?」
「知ってるよ。もう了承済みだ。条件付きだけど…」
「はあ?」
オレと真二は、保育園の頃から家が隣同士の幼馴染みで、家族ぐるみの付き合いがある。
今回、こいつが、一年間のカナダ留学に行くっていうから、羽田まで、わざわざ見送りに来てやったっていうのに。
「…何でだよ? 何か、あっちでやりたい事でも、あんのか?」
「ああ。もう、実は決まってる。研究室に、入れる事になった」
「あの…お前が尊敬してる、ナンチャラとかいう教授の?」
「そう。スタンリー教授ね。だから、もう戻らない」
「…何で、今まで黙ってたんだよ? もっと早くに、教えてくれたっていいだろ?」
「ああ。それは…。ぁ…それから、隼斗んちの、おじさんとおばさんにも、了承済み。まあ、頑張れだって」
「はあ?オレんちの?! オレだけかよ。オレに教えるのは、出発一時間前で、充分って、事かよ」
真二は、いつもそうだ。昔っから変わらない。
天然キャラで、いつも、意表を突かれっぱなしだけど、本当は、計算高くて、周りがどう思おうと、自分の意思は曲げない芯の強さみたいなものがあって、そんな真二に、いつもオレは、振り回されてて…
それでも…好きだった…
それなのに、お前は、随分あっさりしたものだな…。
解ってたはずなんだけど…
やっぱ、キツいわ…。
「だって、隼斗は、いつも、お尻に火が着かないと、決断出来ないでしょ?」
「は?てか、決断_?」
「で、ここからが本題なんだけど」
と、真二は、不敵な笑みを浮かべた。
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