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ふざけんな。
ふざけんな!ふざけんな!ふざけんな!!
「帰る」
「…ぇ…?」
真二に、手首を掴まれたが、オレは、直ぐに振りほどいた。
「馬鹿にするのも、大概にしろよ」
真二にとっちゃ、ただ単にオレを黙らせるための…言うこと聞かせるためのキス…
オレの気持ちを何だと思ってんだ…
「もう頼むから、弄ぶのは、止めてくれ」
「隼斗も、オレの事が好きだったんじゃないの?」
「…は?…な…何言ってんだよ…バカじゃねぇの?」
気づかれた?! 気づかれた! オレの気持ち_、
イヤ…気づいてた?
とっくに気づいてて、オレの反応見て、楽しんでる?!
「ふざけんなよ!オレの気持ちで遊ぶな!」
「隼斗!」
再び、真二に抱きすくめられた。
「誰が、隼斗の気持ちで遊ぶかよ! ちゃんと、オレの言葉聞いてた? オレは、『隼斗も』って、言った。 オレだって、ずっと、お前の事が、好きだったんだ!」
…ぇ…?
「今…なんて…?」
「好きだ。だから、一緒に来て欲しい。返事は?」
ぇ…何、こいつ、さらっと言っちゃってんの?
オレが、二十年間、心の奥底の金庫の中に閉まっていた言葉をいとも容易く…。
「ちょっと待ってくれ…」
「ここは、『行きます!』の、一択じゃねぇの? だから、一時間前に、告白したのに。深く、考えなくても、良いんだよ?」
「んな訳いくか!」
オレは、バリッと、真二を引き剥がした。
「ったく、こんな時まで、真面目でお堅いんだから」
「いつからなんだよ? お前、そんな素振り、全然見せなかったじゃん…。それとも、お前にとっては、それほど重い言葉じゃねぇって事か?」
「いつからなんて、覚えてないよ。気づいたら、隼斗を好きになってたし…」
「んな訳、あるか! 取っ替え引っ替え、女が絶えなかったくせしやがって」
「ぁ…ああ、あれは、全部、隼斗に告白しようとしてたコ達だよ。告白される前に、オレが阻止してたからね。いやあ、女受けする顔で良かったよ」
「何気に、ゲスい事、言ってんな」
だから、長続きしてなかったのかよ。
「オレの計画に、邪魔な奴らは、排除しなきゃね」
笑顔で言う言葉じゃねぇな。それより、
「…計画って、なんだよ?」
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