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「おっ。興味湧いてきた?」
「んなんじゃねぇけど……訊く権利くらい…あんだろ?」
どうしても、小さくなってしまう声。
それに対し、勝ち誇ったような顔の真二。
「もちろん。オレの望みは、隼斗と結婚して、一緒に暮らす事だから。その為の下調べや、実行しなきゃいけない事は、全部してきたつもりだよ?」
「悪ィ。分かりやすく説明してくれ」
「スタンリー教授の研究室に決めたのも、同性婚が認められてるカナダだからだ」
は?
「収入は、あるよ? オレが、こっちで助教やってるって話したら、スタンリー教授が、研究室がある大学に、話してくれて、助教の仕事に就けそうなんだ。論文は送ってあるし、後は、面接だけ。 他に、質問は?」
「オレは? こっちで、仕事があるんだ。まさか、辞めて、専業主夫にでもなれ_とでも言うのかよ」
「オレは、それでも良いけど?」と、意地の悪そうな笑顔。
「でも隼斗の会社、カナダにも、支社があったよね? そこに、異動希望を出せばいい」
「簡単に言ってくれるな。あそこは、支社じゃねぇ。本社だ。本社勤務なんて、超エリートコースだよ!」
「じゃ、頑張ってよ」
「はあ?!」
「待ってるからさ」
信じきってる笑顔。
「待ってるったって、行けるかどうか、わかんねぇぞ?」
「それでも、待ってるよ。お互い、二十年間待ったんだ。これからだって、いけるだろ?」
…それも、そうか…。
それに、これからは独りで待つんじゃない。
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