こいつのたった一言で…

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「他に無ければ、オレから一言、いい?」   「何だよ?」   「待たせてごめん」 「…ぇ…?」 「思ったより、時間かかっちゃって。でも、許してくれる?これでも、急いだつもりなんだ」 と、真っ直ぐにオレを見つめてきた。 それだけで、一点の曇りもない事くらい分かる。 「オレは、別に…怒って…ない…」 真二の真っ直ぐな気持ちに、まだ慣れてないオレは、どうしても、目が泳いでしまう。 それなのに、こんなオレでも、「マジで?」と、嬉しそうに満面の笑顔を向けてくれる。 「それじゃさ、隼斗の答えを聞かせて?」 ぅっ… 「行ってもいいよ……カナダ…」 「つまり?」 「ん?」 疑問符だらけの顔で、真二を見上げた。 「オレは、好きだって、言ったよ。隼斗は?」 …っ?!!! ったく、こいつは_、 「癪だから、教えてやんね」 「えっ?!なんで?今は、隼斗が答えた後、熱く抱擁してキス_の、流れだったじゃん?」 何をバカな事言ってんだ? 「それに、親父とお袋は、了承してくれたけど、隼斗の同意を得る事が、条件だったんだ」 「んなこた知らねぇよ」 口を尖らせてる奴を見上げた_。 ん? ちょっと待て? 「もしかして、おじさんとおばさんも知ってんのか?その…オレ達の事…」   「知ってるよ。ついでに言うなら、隼斗んちのご両親もね。オレ、もう挨拶済ませてあるから」 は? 開いた口が塞がらないとは、この事か。 オレの知らない間に、外堀を埋められていた訳ね。 「年末年始の休暇使って、そっちに行く。それまで、おとなしく待ってろ。今までの事を思えば、それぐらい待てるよな?」 「うん!それじゃ、答えは、ベッドの中で、聞かせて?」 「ばーか。」 end
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