黒き遊び

4/14
前へ
/161ページ
次へ
勇は窓際の席で補習を受けながら、ふと窓の外を見た。 まず目に入ったのは何処までも高い空。 もうそろそろ生徒の登校時間なので、校門の近くには校舎に向かって歩く生徒が多く見える。 その中に、女子の二人組の姿があった。 一人は同じクラスの女子、白河優衣。 もう一人は、もう大分学校に慣れて来たと思われる夕村ひかり。 視線を黒板に戻しながら息をつく。 今朝は少し遅れてしまい、ひかりに弁当を渡される羽目になってしまった。 きっと今日もさぞ凝った弁当を作ったのだろう。 頭が痛い。 隼に何てひやかされるだろうか。 その時予鈴が鳴り、補習は終わりとなった。 立ち上がって教室から出る時、勇は何故か軽い悪寒を覚え悪い予感がした。 気にはなったがゆっくり考えている時間は無く、急いで自分のクラスへと向かった。 一日は、まだ始まったばかりだった。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加