3人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
言い終えると同時に、宴が上着の下から拳銃を二丁取り出して構える。
二人は咄嗟に左右に別れ、撃たれた弾を避けた。
勇は宴に向かって銃を恐れずに駆け、それを見たひかりが跳躍する。
「……っ!」
腕に銃弾がかすったが、勇は怯まずに近付いて宴の右手を抑え込んだ。
左手に握られた銃口が額に突き付けられる。
宴が引き金に掛けた指に力を込めた時、勇は笑みを浮かべた。
宴ははっとしたように注意を逸らす。
「くっ!」
振り向いて銃を向けた先にいたのは、着地したばかりのひかりだった。
宴が一瞬目を開いて動きを止めた隙を逃さず、二人は前後から素早く攻撃を加える。
意識を失う前の一瞬、宴の瞳に映っていたのは、まだ幼さの残る少女の姿だった。
最初のコメントを投稿しよう!