黒き遊び

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宴はアパートの階段を下り切った所で振り返り、二階を見上げた。 まさかこんな所で、また会う事になるとは。 そして、気になるのはあの少女だ。 彼等の子供という事は無い。 あんなに大きな子供がいる筈は無いから。 けれど面立ちは驚く程に似ている。 何より、少女の纏う雰囲気が。 意識しては出せない雰囲気が似過ぎている。 「……困りましたね」 思わぬ事態に心が掻き乱されている。 それを鎮めるように声を発した。 「これから、どうしましょうか」 呟いてから歩き出す。 思うのは、ここ数年思い出す事も無かったあの日の事。 これから、どうしようか。 その答えを知る術は、きっとその辛く哀しい記憶の中に。 それを掴むかどうかは、この闇の濃さによる。
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