第三章

17/70

78人が本棚に入れています
本棚に追加
/281ページ
「ありがとう。すぐに返すよ」 礼を言いつつ受け取って、煌人は既に表示されているチャット画面を時系列に読み進めていく。 と言っても、重要なのは送られてきているスクショの画像くらいで、一つずつ順番に見ていけば青葉琴音とその友人五人の身に起きたであろう悲劇は、大まかにではあるものの把握することができた。 「……なるほど。一見、大して面白味のないどうでもいいやり取りにも読めるが、鏡小屋へ行った直後だというのを考慮すれば、間違いなくこいつらが呪いに消されていってるのがわかるな」 メンバーたちのやり取りが進むにつれ、確実にメッセージを書き込む人間が減っている。 そして、生き残っている者たちはそのことを過度に気にしているのも明確だ。 「間違いない。この青葉琴音とその仲間はもう、全員どこかへ消されてる」 紀絵のスマホから目線だけを動かして、煌人は三人へと断言した。 「……どこかって、どこですか? できればそろそろ、あなたの知ってる情報も教えてほしいんですけど」
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加