第三章

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遊びで済む事案じゃない。本当に一歩間違えば、自分自身が被害者になるのだ。 もしこれ以上三人を深入りさせて何かが起きれば、その責任の一端は煌人へと注がれるリスクがでてくる。 中途半端な理由や気持ちで関わる気でいるのなら、潔くこの場で突き放した方がお互いのためだ。 そう思い問い質した煌人の言葉に、しかし雅は微塵も臆することなく返答を口にしてきた。 「危険な目に遭ってるかもしれない友達を助けたい。真面目にそう思ってるから動いてるんです。瑠花はもちろん、琴音やその友達がいなくなってまだ一週間。生きてる可能性は充分にあるはずです」 「確か、一週間前にいなくなった連中の方は、三日くらい前から保護者が騒ぎ始めてるんだろ? 放っておいてもすぐに警察が動いてくれるかもしれないぞ?」 「警察が動くのなんて、実際に事件が起きてからがほとんどでしょ? 実際、琴音の親も警察に行ったらしいけど、私らくらいの年頃は家出することも珍しくないって軽く言われたらしいし」
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