第三章

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困惑しながら問う保志子に頷き、煌人は顔の前で人差し指を立てた。 「犯人たちはオカルトサークルも開いていたと説明しただろ? 福島と東京を繋ぐ鍵は、そこにあると俺は踏んでる。結論をあえて先に言おう。熊川多津恵が殺された真の理由は、呪術の実験台だ」 「……じゅ、呪術? それって、あの魔方陣描いたり、藁人形を神社に打ち付けたりする、ああいうやつのこと?」 「ああ、メジャーなところをあげるなら、そんな感じだな。だが、世の中には効果があるのかすら疑わしい、マイナーな呪術も数えきれないくらいある。次に、これを見てみろ」 雅の言葉へ返答しながら、煌人が二枚目の紙をテーブルへ置く。 〈血界幽閉(けっかいゆうへい)の儀・その方法と効果〉 一番上にそんな見出しが印刷されたその紙は、一枚目に比べ載せられている写真の数が多かった。 白黒であるため、いまいち何が写っているのかわかり難いが、それがまともなものでないことだけは少女たち三人も一目で理解できた。
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