第1章

16/21
前へ
/21ページ
次へ
親父は、いくつになってもガキだと思った。伯母と喧嘩をし、水をぶっかけていた。そんなに親はもう変われない。こんなやつに、つける薬などないのだ。 ベンツを乗り回しマリさんと住むマンションを書い絶頂期であった。 そんな時に、おやじはお友達になった一人のおじさんに出会う。 そこから人生がガラリと変わる。 ひとつめは、おじさんに出会ったせいで、マリさんにたいしての一番の感謝しなくてはいけないひとに対しての恩を忘れてると言うこと。 ただの私を面倒見てくれるおばさんと言う価値観をおじさんは、おやじに植え付けた。 その後、家庭は破綻する。 夜夜中のギャーと声が聞こえた。寝静まった夜に痴話喧嘩が始まった。 マリさんは、苦しそうに咳をしていた。 おやじは、吠えていた。真っ赤になって怒っていた。 「こいつが悪いんだ。俺のかじったんだ。」 娘は、泣きながら、部屋にいる私に、 「喧嘩をとめて、殺されちゃう。」 マリさんのことが心配だった私は、二人の 元に行った。 まだ全裸の事なんて格別気にしてない親たち。 「恥を知りなさい。何時だと思ってるんですか?」 「ここで何をしているんですか?」 「洋子ちゃん、今お母さん死ぬかも知れなかったんだよ。まずは、」 私は、娘ちゃんの言葉をさえぎり、 「早く出てってください。よそでやってください。」 「お母さんは、家政婦じゃないよ。」 「知ってますよ。だからご飯の支度もしなくって良いって話になったんですよね?あなたがご飯を食べないでお菓子を食べるから、マリさんと娘ちゃん好きな食べ物いつもつくって部活の帰りを楽しみに待ってましたよ。」 「ここは、宿屋じゃありません。」 言いながら、終わったなと感じた。 さよなら、私のささやかな家族ごっこ。 あたたかくて、優しくておしゃべりが大好きでした。 もう少しこのままでいたかったな。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加