第1章

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当分、父とは会っていなかった。 結婚をしたとき、東京に来てくれた。 少し老いていた。 男の人と住んだことはなく、結婚してはじめて住む。 壮絶な、壮絶だったと思ってきたが、父は、どんな風に感じていたのだろう。 顔合わせを控えているがその前に父と洋平君と飲みに行った。 お酒に弱い父と洋平君と、飲み屋でたわいもない話をした。 「ちょっと、思ったより一緒に暮らすのが早いんじゃないのか?」 それはないぜ父ちゃん、私30になるよ。 店を出た私達は、自分たちの暮らす町の一駅隣にある飲み屋さんを出て父を見送った。
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