第1章

5/21
前へ
/21ページ
次へ
寮に入り、ひたすら勉強する。朝方起きて新聞配達のチラシを折り込む。 荒れた手にインクが染み付いて真っ黒になる。 きっとこんな風にして親のありがたみがわかるのかな? 毎朝毎夕織り込んだチラシを入れる。 予備校に通う。 半年がたった頃、親父から連絡がきた。 「洋子か?元気か?」 「世田谷のコンビニのところで会おう。メシ食おう」 「うん」 「よう。」 「うん、どうしてた?」 「あのうち、競売になる。、」 荷物は、今のところにほとんどだな。 安堵した。父も少し荷が降りただろうか。 マリさんと別れることになった。 マリさんは、木場というところに引越しした。 忍もマリさんのもとへ行けたのだろうか。 親子水入らずで、わがままな馬鹿親父から離れて自由になれただろう。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加