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十数年後、私は、良い人と結婚をする。
今でも、借金の取り立ての夢を見る。
大丈夫だ。夢だ。
あのときの電話が、
あのときの親の仕事の不渡りが夢に出てくるのだ。
マリさんとすれ違うことになる。
あのときの優しくて厳しいマリさんは、疲れた顔をして歩いていた。
娘の忍ちゃんに似てる人も歩いていた。
私の良い人と娘と歩いていたら、すれ違ったのだ。
本当は、ぎゅうって抱き締めて詫びたかった。
どんな風に謝ればいい?
謝っても謝りきれない。
想定しよう。
謝って、請求されたらどうする?
謝って、返して!って言われたら、多分力が及ばない。
そう、臆病になってしまったのも親父の妹のせいだ。
でも、とても大好きな姉みたいな人で、
酒豪で気前が良くて親父より男らしい人。
すごく心配してくれて、住み込みの仕事をした時に家によんでくれた。彼氏も紹介した。
彼氏を紹介しなさいと言われ、電話をお姉ちゃんの前でしたら
こわい声をして、あんたに洋子は、渡さないよ?って笑ってた。お姉ちゃんの幼いむすこも渡さないよと真似してた。
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