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「川田さん、久しぶりに明後日の午後にでもどうですか」
春野君から社内電話があった。
「こちらも、仕事に区切りがついたところなので、OKです」
「では予約しときます」
すぐに明後日午後の半休願いを提出した。
約束した日の昼過ぎに、駅の改札で待ち合わせ。日差しが強い。「予約、指名、いずれもOKです」いざ。
この定期的なイベントが始まって、もう5年近くになる。春野君は、私の3年後輩で、年齢は4つ下だ。今の広報部のポジションに移る前の企画部に僕の後任として研究所から転勤してきた。
研究所でも付き合いはあったが、本社でより親しくなった。本社勤務の不安があると思い、先輩として仕事のコツを教えてあげて、仕事の相談にも乗ってあげたところ、非常に感謝されて、兄のように慕ってくれるようなった。
ある時、耳打ちして誘ってくれた。
「良ければ、一緒に少し憂さ晴らしに行きませんか?」
「どこへ?」
「ソープランド」
「行ったことはありますか?」
「上京したときに何事も経験と2回くらい行ったことがあるけど、それからずっとご無沙汰している」
「この年になると、良さが分かりますよ」
そして、馴染みの彼女から聞いたという作法まで伝授してくれた。
① 受付のお兄さんに好みを伝えること(気質、サービスを把握しているので、かなり正確に紹介してくれる)
② 初対面の彼女が挨拶したらニコッと笑うこと(好感を持っている印象を与えるとサービスが良い)
③ 部屋に入ったらすぐにベッドにドカッと座ること(サービスに手抜きがないように場慣れしている印象を与える。初心者は促されるまで座らない)
④ ベッドの脇に小型の時計があるから、終了の時間を確認すること(時間が不足ならないように時間配分に注意する)
⑤ 彼女を大切に扱うこと(上から目線にならない。乱暴に扱わない)
⑥ 彼女がいやがらないかぎりしたいことをすること(おしなべて従順)
⑦ 満足したら言葉と態度に出して感謝すること(彼女も気に入られるとうれしい)
⑧ 気に入れば1か月以内に指名を入れて再度行くこと(1か月以内なら覚えている。サービスが良くなる)
⑨ 指名したらサービスを省略させること(楽なので喜ばれ、会話の時間が増えてより親密になれる)
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