1.義理の姪と同居生活をすることになった訳

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久恵ちゃんは小顔で目鼻立ちがはっきりしているので似合うと思ったが、そのとおり、かわいくて活発に見える。さすが表参道のヘアサロンはセンスがいい。 「少しはきれいになった?」 「とってもチャーミングだ」 本当はどきっとするほどきれいになったので見とれた。こんなにかわいいものが手の中にあるのはうれしい。恋人の気分? いや父親の気分? 分からない。 「こんなに買ってもらってありがとう」 「久恵ちゃんは『プリティ・ウーマン』という映画見たことある?」 「テレビで見たわ」 「コールガールが若きやり手の実業家の富豪と知り合い、妻になるというシンデレラストーリー。大ヒットしたけど、あの映画は男の目線で作った男のロマンを描いたもの。素質のある女性を自分好みの理想の女性に育てるという。女性に人気があったけど、男性が見ても共感できる。ジュリア・ロバーツが素晴らしい変身を見せた。映画に出てくるホテルの支配人が今のおじさんだ。おじさんも久恵ちゃんをもっと素敵な女性に育てたい、素敵な男性が見つかるように」 「ありがとう、期待に沿えるかわからないけど」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ あれから、もう2カ月になる。学校にも慣れて、家事も卒なくこなしてくれている。性格も自分と似たところが多いことが分かった。倹約家で、ものを無駄にしない、無駄なものを買わない、ものを大切にする。 また、かなりのきれい好きで、家の中も掃除が行き届き、洗面所、お風呂などもピカピカ。洗濯も大好きで、油断しているとなんでも洗濯されてしまう。下着も遠慮しないでと、毎日必ず取り換えさせられる。 それから、せっかち。自分もせっかちだけど、それ以上だ。ただ、片付けが苦手のようで、一見片付いてみえるのだが、とんでもないものが入っていたりする。 夕食の料理の味付けもなかなかよい。母親譲りの味付けだとか。兄貴は幸せだったんだろうな。 時々、習った料理が出される。でも、なにより明るい笑顔が可愛い。まるで新婚生活のようだ。この年になって、諦めていたのに。今の生活がずっと続くといいな!
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