白い空間でのダルい時間

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 大学の真っ白い講義室で、もうかれこれ二時間は待たされている。  今年は受験生が例年よりも多く、面接官も大変そうだな。  そんな中、俺は何をするのでもなくただ席に座っている。  手元にあるのは筆記用具と小論文の下書き用紙。  俺はこれを使って、ひとつ小説を書いてみることにした。  題名、『機械の様な担当職員』  目の前にいる無表情の担当職員を見てとっさに思いついた。  だが、これではどこかパッとしない。  『白い空間でのダルい時間』  まぁこんなもんか。  冒頭はどうしよう。  やっぱりパッと場面が浮かぶようなやつがいいな。  ――大学の真っ白い講義室で、もうかれこれ二時間は待たされている。  うん。こんなもんか。  白で覆い尽くされた講義室は、本をめくる音と、トイレに向かう受験生の足音しか聞こえてこない。  あとは表情のない担当職員と、重たい空気と、他の受験生からの目線だけだ。  窓の外は薄暗く、雨が降っている。  対して、今俺がいるこの講義室は明るすぎて逆に不気味だ。  面接で俺の順番が来るまであと約一時間。  持ってきた文庫本をまさか読破してしまうとは思わなかった。
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