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「うん、できない(笑) で、そのくせに、鈍臭いところもあるのが俺としてはツボなんだよね(笑)」
「えー、何それー??」
確かに…そうだけど…
「んー、なんか、チグハグなところ?」
「や、やめてよー…」
「あはは(笑)
それにしてもあの時は、たかがエレベーターくらいで何をそんな急ぐ必要があるのかと、びっくりしたよ。」
元彼はSっ毛のある人で、皆からのあだ名はジャイアン。別に悪い意味で短気だったわけじゃなく、ただ無駄な行動や時間をできれば省きたいタイプで、臨機応変に何でも卒なくこなす器用な人。
逆に、決して器用ではない私は、いつも彼についていこうと必死だった。頑張っても器用になり切れない私を、彼は「ったく、しゃーねーなー。」といいながらも、温かくフォローしてくれる優しさがあった。
外面はジャイアンでも、実はとても思いやりのある優しい彼を、私は好きだった。結婚も考えていた。
だけど色々な事情が重なって、
彼との別れを選択した。
そんな元彼と真逆な雰囲気を持つのが純さん。
【そんなに頑張らなくてもいいんじゃないの?もう少し肩ひじはらず、ゆっくりいこうよ。】
出会ってすぐの頃に、純さんに言われた言葉に私は衝撃を受けた。
純さんに言わせると、
「あの頃のマユはものすごい形相で鼻息が荒かった」らしい(笑)
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