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第1章
「あの時マユ、エレベーターのスイッチを連打しただろう?あれには最初びっくりしたなぁ…(笑)」
スーパーのエレベーターを前に、
純さんが一人思い出し笑いをした。
いきなり何?!
と私もびっくり。
聞いてると、出会って間もない頃に、
一緒にいったショッピングモールで
何の躊躇もなくした私の行動のことを言ってるらしい。
「そ、そんなこともあったねー(苦笑」
そんな前のことを突然言われて、
私の顔は赤くなってしまった。
「あれ、覚えてるんだ?」
「え…?覚えてるよぉ…、純さんの引いてる顔見て、超恥ずかしくなったもん…」
「はは。別に引いてはなかったんだけどね。 笑」
あの頃はそれが癖みたいなもので、言われるまで自覚がなかったけど、今は思い出すだけで、恥ずかしさがこみ上げてくる。
「あれは……元彼の影響が残ってたんだと思う。気の短い人だったから、私までいつも時間にそわそわする癖がついちゃってたのかもね……」
純さんは過去の恋愛について、[それも1つのマユの大切な歴史]といって気にせず聞いてくれるひとだった。
「そうなんだ。 でもマユもどっちかといえばせっかちな方でしょ?」
「へ……?んー……まぁー、否定はできない…かな。」
確かに。
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