第1章

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でも今思えば、確かに当時の私は、何かに追いかけられるかのように突っ走ってたかも、と思ったりもする。 そんなことを思い出してると、目の前に階段とスロープが見えてきた。 私は当然のように、 階段ではなく、スロープの方へと進む。 「行くよ。」 と純さん。 「うん、お願い~。」 いつものように、 スロープでは少しの勢いをもって、 ”後ろ”を押してもらう。 純さんの息遣いを、 私はいつも「背中」に感じてる。 上を見上げると、そこには純さんの優しい顔が見えて安心する。 じっと見つめてると、純さんは「ん?」と私を上から覗き込むように微笑み返してくれる。 スーパーでのお決まり。 まずは 「車イス」 に座る私の膝の上に カゴを置いて、いざお買い物スタート。
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