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「あ、その時はもちろん断ったのよ。とにかく仕事で結果だしたい時期だったし、年下にも興味なかったし、その後輩のこともあまりよく知らなかったし。」
ユリは確かにここ2年、彼氏なんかいらないと豪語して仕事にばかり没頭してた。
だから私もすっかり男関係の想像なんてなくなっていた。
「そうだったんだ」
「あの頃は仕事のことで頭いっぱいだったから、マユに話すのもスッカリ忘れてたの(笑)」
「それで、なんで今付き合うことに?」
「これがしつっこい後輩でね~(笑)」
口は悪いけど、なんだかいつもと違うユリの笑顔。
「いや、しつこいというか、しぶといというか。まぁ、この一年間、合計4回も告白し続けたのよ。この私に」
「4回も?」
ユリは、誰もが認める美人の部類。
その上、男勝りなほど仕事もできて人望もある。自分にも他人にも厳しくて、職場では甘えた顔など一切見せない勝気なタイプだから「鉄の女」なんて噂も聞こえてくるほど。そんな噂なんて気にするふうでもないユリは、あえて近寄りがたい雰囲気を出しながら、とにかく妥協のない仕事に徹していた。
その彼女に4回も告白してくる男なんてよっぽど。
だけど私はそれよりも、ユリがその申し出を受けたことの方が驚きだった。
「根負けしたの?(笑)」
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