第1章

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妥協なんて言葉は誰より似合わないユリだけど、いつも自分から好きになって相手を落とすパターンしか聞いたことがない肉食女子でもあるから、簡単には信じられない。 「やーね、そんな私失礼なことしないわよ(笑)3回目くらいから、ちゃんと彼の目を見て告白を聞くようになってね」 充分、それ失礼よ…(笑) 「そしたら、綺麗な瞳してるな、って気づいたのよ。なんか吸い込まれそうなほど。その目で真剣に、訴えるもんだから私も少し気になり出してさw そこから不思議なくらい社内で何度も彼を見かけるようになって、気がついたら私の方が彼を目で追ってたわよ(笑)」 外見だけじゃ決して人を判断しないユリだもん、きっと内面でも好意を持てる部分があったんだろうな… 「それでも諦めず4回目が来たってわけだ?」 「そう!さすがに私も目で追ったりしてたから、向こうも何となく気配を感じてたんだろうね、4回目の告白はそれまでにないくらい真剣で、《もうこれで最後にする覚悟です!》ってきたのよ」 「へー!」 「部署は違うけど、彼の仕事ぶりの噂なんか聞いたり、ある日、各部署合同の会議で彼のプレゼンを聞く機会があってね、それには驚かされたのよ。いいプレゼンしてたから。」 「ユリが褒めるなんて珍しいから、よほど良かったんだね。」     
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