始まりのピアノコンクール

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始まりのピアノコンクール

 音楽。  あらゆる嗜好が存在する現在においても、その意義は大きい。  古来から脈々と受け継がれる、心のコントロール。  楽しいときは気分が高揚する曲、悲しいときは気分が落ち着く曲または死にたくなるような。  音楽が生まれた当初は、歌声のみだった。  そこにリズムが付き、楽器ーー最初は打ち鳴らすためのものだったがーーが付き、そして曲が生まれた  気分に合わせて奏でていたものが、TPOに合わせて曲を選ぶようになっていった。  そして現在、音楽というカテゴリーは沢山の選択肢(ジャンル)がある。  その中で、過去の偉人が作った曲を演奏家が楽譜を読み解き、披露するというジャンルがある。  クラシック音楽。  交響曲、協奏曲、独奏曲、声楽等など……。  その中で自身の培ってきた技術を競う舞台がある。    国際ピアノコンクールというのは、その最たるものの一つだろう。  クラシックピアノ演奏界のホープが集う登竜門。  過去の偉人が遺した楽曲を若い感性で解釈し披露する。  そして今まさに、日本から参加した黒髪の男性が、その大舞台に立っている。  自身のこれまで培ってきた音楽を聴衆に問う為に。 『NO.8 Yakumo Natume』     
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