◆第一章-序*仰ぎ見る空

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   ──森というものは、立ち並ぶ木々などの密集する度合いによりおおよそ、その風貌は変化する。樹木の種類でも変わるものだが、この森のほとんどは広葉樹が占めていた。  広く平たい葉は風になびき、差し込む太陽の光をきらきらと地に落とす。おどろおどろしい森でないことは、眼前に広がる風景がそれを示していた。  しかし、途切れ途切れであっても空には雲があり、葉が青々としている森のなかでは陽の光の全てが注がれる訳もない。  そんな静かな森のなか、柔らかな土を踏みしめて足早に歩く足音が響く。
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