ぷろろーぐ。告白

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今ここで、自分の罪を告白しようと思います。 私は、愚か者です。 人の病み、弱みを見るのが大好物なんです。 それを見ることによって、自分は病んでいないんだって、確認できるから。 確認したってどうにもならないし、誰かにかまって欲しい汚い欲は変わらない。 普通の家族に育ててもらって、普通に生活して、平凡な日常を過ごしている私は何の悩みもない。 悩み事なんて、あっても別に人並みだし。 それなりに友達もいて、家族もいて、イジメなんてものもない。 いたって平凡。これ以上無いくらいに幸せ者な私。 それなのに、胸が痛くなる。 頭がぐしゃぐしゃして、どうしようもなくて、大声を出して変な私の気持ちを押し出してしまいたくなる。 もちろん、そんな事をやったら家族に心配されるからやらないけど。 その父と母は、私のことを愛してくれているとおもう。私は一人っ子だから。 愛されているのはその家族の子供でその血を持っているからであって、私自身の性格を好いてくれているようには見えない。他に兄弟がいたならば、私は嫌われていたのではないだろうか? 私は、歪んでいます。 分かっています。 だから私は、心の病んでいる友人を好きになったのかも知れません。 その子は、私なんかとは比べ物にならないくらい、誰からも愛されている女の子。 別に美人でもないし、悲劇のヒロインでもない。 私と似たような思考回路を持っているはずなのに、誰からも愛されているのに何故か苦しんでいる子。 今からのお話は、私とその子とその周りのただの平凡なお話。 誰もが、経験したことのあるような滑稽な話。 「B子ーー!ご飯できたわよ~」 下の階から、母親の声が聞こえた。 私はどこにでもいるモブ。 名前は、ない。 モブBだ。
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