1つめのおもい。拙いダンスを踊りだそうか。

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1つめのおもい。拙いダンスを踊りだそうか。

ぎぃこ、ぎぃこ。 耳が痛くなる嫌な音。私の大好きな嫌な音。 私の耳をさす自転車の音。 こうして今日も、学校へ向かう。 * 「おはようー!」 朝に誰かに言わなきゃ自分の心が折れてしまう変な呪いの言葉。いつも通り、適当に近くにいる女の子に話しかける。 「おはよう~」 だけど、失敗したなって思う。 彼女は、私と趣味や考え方が合わないタイプの人間だ。 彼女は私なんてどうでもいい自分の世界を持っていて、私なんかとは関係がない人間だ。 私より、ほかの子に挨拶して欲しかったんだろうな。これ以上会話が続かないよ。 だって、面倒くさそうなのが顔に出てるから。 変に虚しい空白ができてしまって、無言で自分の席に向かうことしか私には出来ない。 でも、そんなほんの少しの憂鬱はいつも通りのこと。 SHRが終わったあと普通にそこそこ趣味の合う仲のいい子のところへ行って心の傷を癒しに行くことにした。 とんっと、音がするような気がするかしないかギリギリなぐらいの強さでその子の肩を叩く。 「おっはーー!!先生の話クソつまんなぁい!!」 痛くして、それがきっかけでちょっとずつ嫌がられるのが嫌だからいつも気を遣ってる気がするな。そんな事を考えながらも話しかける。 「おはよう。気持ちは分かるけど、そんな大声でいって先生に聞こえたらどうするの?」 うん。いつものクールビューティ。 「良いじゃんY奈ぁ。もう先生教室から出たし~」 いつもの私の馬鹿っぽい発言の仕方。 「それでも気にしようよ。普通そうするよ?」 「そうか、そうかぁ...でも私は正直に大声でいう!」 「...本当に馬鹿だねぇ。その気楽さ羨ましいよ。分けて欲しいぐらい」 馬鹿にした顔をして私を見る。 「ふふふ!いいだろう。いいだろう!分けてあげるでー?褒めても何も出ないからねー?」 「本当、羨ましい。分けてくださりありがとうございます…じゃないから!褒めてないから!」 「えー?ノリツッコミしたくせにー」 「...はあ。本当に羨ましいや」 きぃんこおおおん、かああぁんこおおん。 きいぃいこおおおん、かああぁあこおおおん。 丁度、チャイムが鳴き出す。 それは、私の耳に酷くまとわりついた。 でも、助けてを出してくれる優しげな声の様に聞こえた。 「じゃあ、チャイム鳴ったしまた後でね!」
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