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そんなこんなでお昼。
自己嫌悪と自分を偽っている自分に嫌気がさして、ぜんぜん授業に集中出来ない。
・・・ーこんなんだからダメなんだろうな
「はぁ」
一つため息をつく。
そしたら、後ろから声がした。
「おいおい、ため息なんかついてどうした?」
「うええ!?」
振り向くと、D輔がいた。
「...なに、いきなり声かけられて驚きすぎて死にそうだったんだけど」
こいつは、私の友人のような男。
通話ツールとかで話をしたりをよくする私の数少ない男友達。
「...なんだよ、元気あるんじゃん」
「いや、だから何よ」
「ため息なんかついてたからどうしたのかと思って心配したんだけど 、心配して損したぁ」
なんで、私なんかを心配してくれるのだろうか。
心臓がドキドキと、心地の良いリズムを刻んで温かい気持ちが全身に広がっていく。
ー多分私はコイツに恋をしている。
「わざわざ、心配してくれてたの~?ありがとうね!」
ハートマークが付きそうなほど浮ついた声で返した。
そしたらスタスタと私から去っていった。
コイツは、困っている人に敏感だ。私だけじゃなくて、誰にでも。
困っている人に声をかけてフォローしてくれる。心のお優しい奴だ。
でも、絶対に深くは干渉してこない。
そのふわっとした軽さも好き。
思わず顔がにやつく。
それを今すぐ誤魔化したい。
「んーー。Y奈ぁああ!お昼食べよぉおおおおお! !」
「...そんな大声で言わなくても分かるわよ。ええ、早くご飯たべましょうか!」
「うんうんY奈!大好き!!」
呆れながらも仲良くしてくれる彼女は、私にとって都合のいい存在。
そのキャラクターが言った大好きという言葉が本当に私が思っていることなのか自分でも分からないなんて本当に困る。
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