白色の君

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 「あ、先輩」  「ん~?」  解いたはいいもののずっと渡せてなかった古文のテキストを手に取り、先輩の前にテキストを置く。  「とりあえず解いておきましたから、どうぞ」  「流石愁くん! ありがと~」  先輩が差し入れてくれたカルピスを飲んで。  それからは校舎からの新緑を撮って、水彩紙に描いた。  つまるところ、いつも通りの散歩部だ。  いつも通り、先輩は真っ白なままの先輩だった。  幸せな幸せな、いつも通りの時間――。  
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