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ーーあんな奴に関わるとろくなことないから。きっと。
そう諦め未唯は仕方なく支払いを済ませ店を出た。
ーー何なの全く…もう最悪!
ーーなんでアタシがあんな奴のためにお金払わなきゃなんないのよ!
ーー雑誌とか見るんじゃなかった。
ーー超ムカつくーーーっ!
未唯が外に出ると日向はもういなかった。
「アイツ何て奴!もう」と丸めた雑誌で太ももを叩くと後ろから声が聞こえた。
「それ俺のこと?」
ーーゲゲ!!いたの?
「俺、ヒナタ。高山日向って一応名前あるから。でもさっきはマジ助かった~あんがとな」
未唯は振り返り俺を睨みつけた。
ーーヒナタあ?
ーーどこが日向?
ーー日陰でも歩いてた方がお似合いだっつうの!
ミユは怒り昂ぶる気持ちを沈め澄ました声で「別にアンタの為に払った訳じゃないから勘違いしないでよね。…でもなんでアタシの名前知ってんの?」と聞いてみた。
「知らねえよ、んなの!だって今会ったばっか…。えっ?…ってことは…」
「アレ当たってたわけ?スゲー!やっぱし俺って天才?」
ーーんな訳ないでしょ
ーーただの偶然
ーー鏡見たことあんの!?
ーー見るからに超頭悪そうじゃんか…
「元カノの名前言っただけなんだけどな~。俺達ってもしかして赤い糸とか言うやつで繋がってたり」
ーー元カノ?赤い糸?
ーーんなことあるか!
「アタシ早く帰らないといけないからそれじゃ。もうついて来ないでよね!そのタバコとコーラあげる」
そう言って未唯は走ってヒナタから逃げるように走る。
未唯ーー相馬未唯。19歳。福岡のD高校の芸能科を卒業後、芸能界に入り活動するため今はボイストレーニング、ダンス、俳優の養成所の三つを掛け持ちしていた。
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