白の堕天使

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7ff26153-83eb-4382-b1f1-a372a5ded045 コンビニに入って行くと、 そのスカイブルーのマフラーを ぐるぐる巻きにしたさっきの少女は 雑誌コーナーで立ち読みをしていた。 長いストレートの黒髪を右手でかきあげると、長いまつげの隙間(すきま)からのぞく栗色の瞳の奥で色とりどりの宝石がひしめき合い光を放つ。 彼女の目を見たその瞬間俺の足が止まる。 ーー早苗ちゃん? ーーなわけねえか。 どこまでも見通せるほど澄んだ少女の瞳が 自分の邪悪なものに染まった(よど)んだ目と かけ離れていたからなのか 珍しく俺は躊躇(ちゅうちょ)した。 少女は俺の視線を感じたのだろう。 こっちをちらっと見て… 目が合うとすぐに視線をはずす。 そしてそのまま少女は雑誌を右手に持ち レジの方へ歩いて行く。 俺もすぐにコーラを手にとり少女の後からレジへ向かった。 そして少女が雑誌をレジに出そうとすると 後ろからすっと割り込み 「ラークの9mmロング」と レジの女に言いタバコとコーラを差し出した。 「582円になります」 「やべえ!財布ねえじゃん」と少女の顔を(のぞ)き込む。 「よお!ミユじゃん!助かったあ!これ一緒に払っといてくんね?後からちゃんと返すから。なっ!」 と隣で雑誌を立ち読みしていたさっきの少女の肩に手を置き(にら)む。 ーー何なの?こいつ! ーーなんでアタシの名前知ってんの? ーーアタシあんたなんか知らないし ーーなーんかヤバそうだしなあ… (しび)れを切らした若い女の店員がーー「あのーー」と声をかける。 日向の様相(ようそう)にビビった未唯(みゆ)は 自分の雑誌と一緒にレジを済ませることにした。 「じゃ、これ一緒に」 「1293円です」 「悪い!じゃあ今度な」 そう言ってコーラとタバコだけ持って先に出た。
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