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ママを助けてと泣きじゃくる怜良の目から、大粒の涙が零れ落ち、蒼夜は真実を告げることを躊躇った。
天真も首を振って蒼夜の言葉を止めている。
「電話。そうだ君のパパに電話で知らせるんだ。他に誰か面倒を見てくれる人はいないのか?」
蒼夜が聞くと、怜良が庭に面する道の向こう側に建つ、古いアパートを指した。
「ママの従妹の黒井おばさんが住んでるの。今日は土曜だから中1の真里菜ちゃんと小六の明菜ちゃんはいると思うけど、おばさんは離婚したから、昼間働いているの」
「分かった。君のお父さんに連絡するんだ」
そうして、怜良に父の会社へ電話をさせると、蒼夜と天真は怜良の父、みのるが家に着くまで、自己紹介をしながら時間を潰した。
天真は母親の手から小瓶を取り、ベッドに転がった蓋を締めて、怜良に手渡すと優しく微笑んだ。
「これは怜良ちゃんのママが怜良ちゃんにプレゼントしたものだから、大切にもっていてね。願いが叶った時に消えてしまうものだけど、怜良ちゃんが迷った時や困った時に、ママがお願いした天使に伝わって助けてくれるかもしれないから・・」
「そうなの?困った時には天使が助けてくれるの?私は一人じゃないの?」
天真だけに良いところを持っていかれまいと、蒼夜が横から口を出す。
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