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「一度願をかけたなら、それは審判の日まで有効じゃ。彼女が結婚する相手によって、彼女の運命が天のように光に満ちるか、はたまた地獄の闇でもがくかは彼女次第。途方もない願などかけた彼女が悪いのじゃ。成る様に任せ、天真には戻るように伝えなさい。管理人を放棄しても今回は降格はなしじゃ」
「天真は天使の中でも真面目な子です。放棄して少女が不幸になった場合、自分を責めるかもしれません。もし、天真が最後まで見届けると言ったら、どうなるのでしょうか?」
「命令をきけぬなら羽をもぐ!人間として暮らすもよし、悪魔の家族に加えてもらうもよし、勝手にすればよい」
「では、私に地上に下る御役目をお言いつけ下さい。悪魔が悪さを働かぬよう監視し、天真の保護者としてあの子の魂が汚れぬよう導くと共に、あの少女の行く末をも見守ります」
神は一瞬目を眇めたが、天使が己の約束を反故するのに、悪魔がそれを見守る事態になっては天使の名折れになると踏んで、アンジェの同行を許可した。
「ただし、あの少女が本当にプリンスと結ばれプリンセスになった場合、悪魔の悪行は昇華し、人間になることを天真に伝えておけ」
畏まりましたと頭を下げたアンジェと天使たち一行の前で、また突風が吹き一瞬にして神の姿は消え去ったのであった。
ショックを受けて立ち尽くした蒼夜の目の前で映像は薄れ、光りのヴェールが辺りに溶ける。
中から金髪の美しい女性が現れ、蒼夜とくっついていた天真を引き剥がした。
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