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「私はアンジェ。世話をかけましたが、ここは私たちにまかせ立ち去ってください」
「勝手なことを・・・。もし蒼夜が管理人を放棄したらどうなる?天使は降格で、悪魔はその良心のない所業により、悪魔として昇格するのか?」
さきほどの映像を皮肉って、深影が憎々し気に吐き捨てると、それを無視するように涼しい顔でアンジェは蒼夜を見やった。
「天使の仕事を手伝ったって、あなたたちに良いことはありません。悪魔のままがお嫌ならお手伝い頂いて結構ですが・・・」
「な・なんだと!」
深影とアンジェがにらみ合った時、うわ~んと少女怜良の泣き声が上がった。
「ママ、ママ目をあけて!誰か助けて!」
パタパタと足音がして、怜良が庭に飛び出してきた。
御影とアンジェはすぐに姿を消したが、まだ未熟な蒼夜と天真はあたふたしている間に、怜良に見つかってしまった。
普段なら不審人物として警戒されただろうが、少女は駆けてくると目の前にいた蒼夜と天真の腕にすがった。
「ママが・・・ママが急に・・・・。お医者さんを呼んで。助けて・・」
蒼夜と天真は顔を見合わせ頷き、少女を連れて家に入る。
怜良の母は天使の小瓶を握り締めたまま、息をひきとっていた。
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