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二人が大笑いしだしたのを見て、怜良の腕の中のカラスが暴れて空に舞い上がった。
シラサギも後をおって舞い上がったが、直後カラスのとった行動に三人とも目を見張った。
真里菜めがけて急降下したカラスが、突っつくかと思いきや、その頭上で糞をしたのだ!
「きゃ~っ!汚い!何するのよ、このアホガラス」
「アホ~ッ。アホ~ッ」
カラスが笑うように鳴いてから、シラサギに向かって命令するように首をくいっと振った。
えっ?僕も?シラサギが空中で羽ばたきを忘れて、一瞬高度が落ちたが、カラスに追い立てられ明菜の上に来ると、ビシャッとお見舞いを食らわせた。
「何よ!あんたたち!何で怜良の見方するのよ!焼き鳥にしてやるから!」
き~っと甲高い声で喚く二人を信じられない思いで見ていた怜良が、やがて身を震わして笑い出した。
怜良を睨んだ義姉たちは、再び頭上に来た鳥たちに怯え、額にまで垂れてきたお見舞いを、ギャーギャー言ってぬぐいながら、家の中へ逃げて行った。
「ああ、可笑しい!すっきりした~っ!鳥さん達ありがとう。私もやり返せるように強くなるからね~」
飛び去っていくカラスとシラサギに向かって、怜良は大声で叫び、手を振った。
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