第1章 クロウ+白さぎ=灰かぶり

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 ハモった蒼夜と天真が指したのは別々の方向で、怜良はがっくりと肩を落とした。 「二人が仲いいのは分かるけど、早朝から人の家の庭で漫才なんかしないでよ。心配して損しちゃった。じゃあ、私、お弁当作らなきゃいけないから、また学校でね」  怜良が手を振り玄関へと向くと、オセロの二人が悪いな、またねと手を振って庭から出て行った。  玄関の扉が閉まる直前、鳥の羽ばたきが聞こえたのに気が付いた怜良は、ふとおかしなことに気が付いた。  シラサギって田んぼとか池にいる鳥じゃなかったっけ?この辺には水辺が無いのにどうして屋根にいたんだろう?  しかもカラスと一緒にいるなんて変よね?めったに見かけないコンビだから、きっとこの前、鏡が割れた時に拾ってくれたのと同じ鳥たちに違いないわ。  その時、2階からガサゴソ音がするのが聞こえた。  きっと真里菜が起きたのだろう。いけない、お弁当を急いでつくらなくっちゃ!  キッチンに飛び込んだ瞬間に、カラスとシラサギのことは頭からさっぱり消えていた。そして、前夜に下ごしらえしたおかずを、怜良は慣れない手つきで一生懸命調理し始めた。
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