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「何をたわけたことを!天真と言ったな、元はお前の昇給試験が原因だろ!蒼夜は関係ないはずだ。管理人はただ見ているだけで良いのか?もし、願いが叶わなくても管理人に影響はないかどうなんだ?」
深影が答え次第ではただじゃおかないとでも言うように、天真を睨みつけると、天真はぶるぶる震えて蒼夜の影に隠れ、それでも何とかつっかえながら答えた。
「て・天使の小瓶は、無条件に願いを叶えるものでありません。願った本人に努力させるサポートをするのが管理人で、成功の度合いで昇進が決まります。もし、何もしないで放っておいたなら、職務怠慢で天使の資格をはく奪されます」
びくんと反応した蒼夜の頭から角が飛び出した。羽を出すのだけは何とか抑えた蒼夜が天真に向き直る。
「お前、とんでもないことに巻き込みやがったな!サポートさえしていれば、願いが叶わなくてもおとがめはないんだな?」
「えっと、その降格はありますが、天使の場合なので、悪魔のあなたにどんな影響があるかは分かりません。ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げた天真を後目に、深影は腕を組み、頭を垂れてじっと考えていたが、やがてその顔をあげ、二人を交互に見た。
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