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僕にはこの家に居場所がない…
この言葉はいつしか僕の決め台詞…いや、口癖になっていた。
この家に居場所がない、それは間違いである←と勝手に決めつけること自体が間違いであるのだ
住む家があるからそこは僕の居場所になるわけではないのだ。
特にこの家ではそれが簡単明白にわかる。
僕の家は父、母、兄、僕、の四人家族で構成されており、それはそれは素晴らしい家族だ。
《父の実績》
現在父は絶対音感を持っているため、その力を十分発揮して仕事をしていて、「現代の音楽世界の奏者」とも巷で言われて人気も高い。
父の武勇伝は学生時代まで遡ることになる。
父は学生時代から学校では常日頃学業・運動、共にトップを走っており、先生達からはこの「絶対音感」という話題性が買われて贔屓されていたんだとか。
誇れる父であるのだが、その分兄と僕に対する威圧というか、失敗への耳が早い。
《母の実績》
現在母親は専業主婦である。だが、やはりこの夫にしてこの妻あり。というところだろうか。
母親は幼稚園~大学まで有名なお嬢様学校に通っていたらしい。
最初に就いた職業は「弁護士」であり、現役時代は負けなしの白星ばかりで「負けを知らぬ女弁護士」とも言われていたらしい
今となっては昔の話だと母親は言うがたまに、スカウトマンがうちにやってくるのを目の当たりにするとやはり子供としては尊敬の眼差し…むしろ人生において失敗したらと考えて恐ろしく思う時の方が多い。
《兄の実績》
言わずもがな、この家系の長男である兄は幼少期から英才教育で今は外国のお高い大学で過ごしている。
家の中を見てわかるが棚には兄の実績を語る賞の数々、お偉いさんとの写真も多々ある。
弟してこの兄は誇れるが、周りから比べられることが多くたまに憎い…もとい、尊敬できる兄である。
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