一眠り

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それより、暁は藤堂の事を"悠ちゃん"なんて呼ぶくらい仲がよかったのか。 そんな事実を初めて俺は知ったぞ 二人は俺を挟み口喧嘩を初めているが、それがなんというか小学生の喧嘩みたいで少し笑える。 「部長」 「なんだ?」 「今、笑いました?」 「俺だって笑う」 そんな事で一々驚かないでほしいものだ だが、こいつらが驚く位普段笑っていないということなのか。 そんなつもりは微塵もなかったけれど、それが事実だとしたら驚くのも無理はないのか。 「西崎ー次いこ次ー」 酔っぱらっているせいかいつも以上にハイテンションな暁は明日も仕事があることを分かっていないのだろうか。 もうすぐ終電もでるというのに俺の腕を一生懸命引っ張る姿の暁の後ろには尻尾がブンブンと振り回されている様に見えて仕方がない。 まさしく犬だな。 「また、今度な」 次行くとうるさい暁をなんとか宥めタクシーに乗せた俺は徒歩で帰ることのできる自分の家に向かってあるきだした。 だから 「透?」 疑問視ではあるがどこか確信めいた声で俺の名前を呼んだ女に気付くことはなかった。
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