日常11

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日常11

遠い昔の話だ。 就職の面接で大阪まで足を伸ばしたものの、道に迷い時間を過ぎた頃に電話をかけると、なんでもっと早くかけてこなかったの、お疲れ様と言われ、泣く泣く京橋まで戻っているスーツ姿の自分がひとりぼっちで立っていた。わざわざ電車賃を払ってこんなとこまで来てしまったからには何かしないと意味がないと思いながら入ったそこはいい匂いのするケンタッキーのお店だった。店員さんはひどく親切で、これもスーツ効果なのかと思いながらチキンを頬張った。 店を出た後、スーツを着てない奴だってしっかり働いてるんだと思った。無職のくせに。
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