雲間より

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 ●  目を開けたら、空はすっかり藤色になっていた。陽が昇ると、だんだんと海が青く透けていく。座ったまま眠っていたようだ。砂浜には透明な波が寄せて、染み込むように消えていく。どこまでも青い海を見て、僕は海の果てのことを考えた。海に果てがあるとしたら、一体どんな場所なんだろう。地球は丸いから、海の果ては遠いだけでなく、おそらく海底にある。住所のないその場所ははどれほど暗く、透明で、静かな場所なんだろう。  波が出てきて、桟橋と船とを繋いでいるロープがぎしぎしと鳴っている。  船のある大学に行こう。そんな馬鹿みたいなことを、寝ぼけた脳みそがようやく思い付いた。 (おわり)
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