第1章 自分の各位とその立場

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第1章 自分の各位とその立場

この国に生まれてから早17年... 昔は帝国軍とか反乱軍という軍隊なんて存在しなかったのに... どうして...こうなったんだろう... 今頃...『あいつ』は何をしてるんだろう...久しぶりにでもいいから会いたいもんだ... でもそんな願いは叶うことなんて無い なんせ俺は『反乱軍』の1人で...あいつは『帝国軍』を率いる(おさ)の一人娘... 小さい頃から一緒だったのに俺らが10歳になった頃に軍隊が出来て引きはがされた 文通だって許されるわけもない...帝国軍の人たちが受け取ろうともしないからだ だから10歳の時に離れてから7年が経っている...俺のこと...覚えててくれてるのかな... またあの綺麗な声...聞ける時が来るのだろうか... 気づけばそんなことを考えつつも7年経つ間に俺は反乱軍の(おさ)になっていた だから、100%の確率で最終的には首を取られる可能性がおおいにある 近々、帝国軍との1戦が控えている...あいつに会う前に死ぬか...むこうの(おさ)が死ぬか... 一か八かの勝負に過ぎなくて…いつも夢の中であいつが嘆いている夢を見る 【こんな世界!もう嫌!お願い...お父様を...この戦争を...止めて...】 その言葉とともにあいつの泣いている顔が見えると目が覚める... なぁ...《こんな世界》と嘆くお前の生きる理由に...《俺》はなれるだろうか... そんなこと言ったら...お前にとっては最初で最後の『愛』の言葉にでもなっちまうかな...
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