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三十五歳という年齢になり、みなそれぞれ家庭を持ったり仕事も軌道に乗ったりと、それなりの落ち着きをみせていたので、いい時期なのではないかと幹事達は考えた。
取り急ぎ、クラスメイトの消息を追うと、何人かの訃報に辿り着いた。
「ねぇ、この三人って......」
M美たちに、過去の記憶が甦った。
亡くなった三人は、担任から「見たら死ぬ絵」を送り付けられた男子生徒。それも三人とも、卒業後二十年を迎えた年の同じ月に病死・事故死・自殺で命を落としていた。
「単なる偶然、と思おうとしたんだけどね」
美術部だった女子が、三人の訃報を知る前に、同窓会開催の為にS崎先生と連絡を取っていた。
銀座の画廊でグループ展に参加しているという先生の元を訪れると、S崎先生は
「同窓会は欠席させてもらうわ」
と、感情のない声で告げたという。そして、
「ようやく二十年経ったわね。あの三人も、あの頃の私と同い歳になるのね」
とも ―――。
「その子から聞いた話では、先生はあのとき結婚十年目でようやく授かった赤ちゃんを妊娠していたのに、ヤツらに精神的に追い詰められて、ストレスで流産しちゃってたんだって」
「じゃあ先生は、計画的に彼らが自分と同じ年齢になる二十年後を見据えて『見たら死ぬ絵』を贈ったってこと? そんなことが可能なの?」
「分からないよ。分からないけど……」
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